マインド・トリップ

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山田は契約書をじっと見つめ、しばらくして口を開いた。 「…驚きましたよ、アリスさん。 これって僕の記憶が正確なら、6年前から愛読させて頂いている【Alice】シリーズと、展開の流れが何もかも酷似している。 …にわかに信じ難いですねぇ」 お・こいつ本当に読んでんじゃん。 あたしは答えた。 「山田様…貴方の様な熱心な読者の方ほど、 やはり今は理解し難い状況でしょうね…… 何も、返答は急ぎませんよ? …現在、決定権はお客様にございますから」 と言って、出方を伺おうと思っていたら… 「シンキング・タイムなど無意味です。 アリスさん… 【マインド・トリップ】 お願いします!」 あたしが少々呆気に取られていると… 「アリスさん… 僕にとって、今この瞬間が夢の様です。 アリスさんとお近付きになったばかりか、本の中でしか存在しないと思い込んでいた【マインド・トリップ】迄も体感出来るなんて!しかもマインド・トリップの時、僕はアリスさんと……やったぁ!!」 ……つかお前、別方向で病んでね? ま、物語導入部特有の【状況説明キャラ】かもしれんが…(笑) なんだか… お前に飛んでみたくなったよ。
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