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時は過ぎ、中学生三年生の冬。
授業が終わると一人の少年がやってきた。
身長は175㎝ぐらい、がっしりとした体つきに坊主頭。
しかし、体の割には優しい顔をしている。
彼の名前は、藪崎翔(やぶさき かける)
中学一年生からの付き合いで同じ元剣道部員。
「克幸、お前進路決まった? 進路決まってないのは、剣道部で唯一お前ぐらいだぞ。それとも全国各地からオファー来すぎて決められないとか?」
確かに全国中学生チャンピオンになった日から全国各地の名門、強豪校からラブコールが毎日来た。
そのどれかに決めれば、簡単に進路が決まるが、気が進まない。
どうしても喜一選手が頭から離れない。
「やっぱり……北海道に戻る」
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