ただ一撃にかける……

～二礼～

　とりあえず、近くにいた厳つい高校生に聞いてみた。

　見るからに相当厳しい稽古しているのだろう。

「すいません、あの第四会場で何かあったんですか？」

「え、ああ、開始線で構えた奴が開始直後に突いたんだ。対して相手は、面に飛んでね。上手い具合に迎え突きみたいになったんだよ」

「あ、そうなんですか。ありがとうございました」

　俺は教えてくれた高校生に頭を下げ、再びに試合コートに視線を戻す。