番外編その六 勇気の章

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だが、拓ぼんとポンの試合が続行されることは無かった。 ガララ 武道館の戸が開く音がした。 皆、そちらを向く。 そこには、 龍一「小野雅人を、倒しに来た」 トイレの詰まりを直すために作られた漆黒の槍。 通称、カッポン(この地域での呼び名。正式な名前は「通水カップ」らしいです)を手に持っていた。 しかも、カッポンが二本……だと!? 龍一「俺の嫁を、長門を返さないようなヤツは、死んで貰おう」 両手にカッポンを一つずつ携えた龍一は、放送席の前に立つ。 オヤジ「ほう…………良い度胸だな龍一。 かつて行われた『便所大戦』で必殺の威力を持っていたその宝具を持ち出して来るとはな」 便所大戦。 その言葉を聞いた俺達はかつての戦場のことを思う。 退屈な清掃時間。 人気薄な上に臭くて、汚れた男子トイレを任された者が起こした最悪の大戦。 最盛期には一階から四階までのトイレ掃除当番が参加した魔の大戦だ。
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