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龍一「確かに、今の俺ではお前には敵わんだろうな」
龍一は自嘲気味に笑う。
龍一「だが、俺は退くことが出来ないんだよ」
そう言って龍一はカッポンを一つ、オヤジに差し出した。
龍一「戦おうぜ」
カッポンの柄を見つめているオヤジは、不敵な笑みを浮かべて、それを握る。
オヤジ「西と東。卒業前に決着を付けるべきだな」
直後。
ボフッ!
カッポンの先端同士が鈍い音を立てて激突した。
お互いが繰り出した突きによって半球状の先端は、まるで地球儀のような美しい球状になっていた。
いつの間にか畳の上からポンと拓ぼんはいなくなっていた。
その空いた戦場に、新たな戦士が舞い降りる。
かつて、互いに鎬を削りあった二人の戦いに会場が大きな盛り上がりを見せる。
オヤジ「ハァッ!」
オヤジがカッポンを突き出す。
それに合わせるように龍一もカッポンを突き出す。
ボフッ!!
二度目の激突。
すかさずオヤジがカッポンを縦に振り下ろす。
それに対して龍一はカッポンを下から振り上げる。
ゴッ!!
カッポン同士が鈍い音を立てた。
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