第1章

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おばあちゃんは出掛けていたのは私に持たせるためのお土産を沢山買ってきていた。 なんだろ?東北の人たちってちょっと家におじゃますると帰りにはお土産を持たせてくれる。 風習?なのかな? お母さんとお父さんにもいろいろと用意してくれ、私のボロい軽自動車はパンパンです。 かろうじてバックミラーから後ろは確認できるくらいだ。 「おじいちゃん、おばあちゃん本当にお世話になりました。いろいろな体験できたし…」 「いいのよ。私たちも久しぶりに楽しかったし、明日から寂しくなるわねぇ」 「蒼太くん、田植えには是非待ってるよ」 「あっ、はい。そろそろになりましたら連絡下さい」 「それと、桐子を頼みます。強がってるけど弱いところがある子だからね」 「はい。俺も一緒に過ごせるように頑張ります」 深々と頭をさげる蒼太さんを見て桐子はウルッとしてしまった。 本当に一緒に過ごせる日がくるのかな。 そうなるといいなと思う反面怖い気持ちも渦巻く。 桐子と蒼太はお別れを済まし車に乗り込んだ。 運転は桐子だ― ペーパードライバーの蒼太さんにはちょっと不安があって、高速に入ったらナビをお願いすることにした。
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