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空織深月は、苦悶していた。
先程からダメージを与え続けている、カーテンの隙間から差し込んだ朝日の光と目覚まし時計は、再び寝る事を許してくれない。
彼は容赦なく襲い掛かるその『目覚ましダブルコンボ』に苦悶していた。
――眩しい! うるさい!
けたたましく鳴り響く電子音に耐えかね、たまらず深月は手を伸ばしてその目覚まし時計を掴み、スイッチを切る。
――ふぅ……さて、二度寝タイムだ。
そして深月は心の中でニヤリと笑い、再び布団を被り始めた。
深月の意識が遠のいていく中、それははっきりと深月の鼓膜に響き、同時に深月の神経反射に訴えかける事になる。
「ぅ起きろおぉおぉおお!」
「ひゃんっ!」
枕の奥の方から聞こえるこの世のモノとは思えない怒号に、深月は抵抗する術もなく飛び起きた。
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