プロローグ

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夏の暑さがなくなりつつあり、 だんだんと冬に近い寒さを感じて来つつある秋。そんな肌寒い秋空の下。 河原で安いカップめんを食べ、ホームレスに本気で議論する少年の姿があった。 っていうか僕だった。 啓「いいですか皆さん!このカップめんは金を出して買った物です!この割り箸やつまようじも、誰かが金を出している。」 その少年の声は辺りに響き渡り、 橋の上からも人々が何事かと顔をのぞかせていた。 啓「昔の人は言った。幸せは金で買えないと!しかし太古の考えならいざ知らず、21世紀、今この世はすべて誰かに所有された!酸素すらコンビニで買える時代です!そう。すなわち!」 一度息をたくさん吸い込む、 啓「この世は金がすべてだ!」 この物語は語った方がよいのか 語らない方がよいのか よくわからない。 単純に運のない少年と 運が良すぎる少女の話である。ただそこに僕達の知らない世界があるだけで それ以外は何でもないただのにぎやかな生活 これを見て君がどう思い、 何を感じても俺は知らない。 ただ君がこれを見て何でもいいから感じてほしい。
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