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そう言って入口の扉に手を伸ばす。
後ろを振り向くと少し落ち込んでいる琴奈とその後ろに綺麗なお姉さんが立ってこちらを見ている。
え?誰?
寮の入口前で立ち話している変な人物の様子でも見にきたのか?
少ないとも変な人物は僕じゃなく琴奈であってほしい。
それとも西園寺西華を知らなかった僕の話を偶然聞いて説教でもする気なのか?
「何だ?入らないのか坊や。」
喋った!
当たり前だけど。
その声を聞いて琴奈は初めて自分の後ろに人がいることに気付く。
「あのどちら様ですか?」
聞いたのは僕だ。
琴奈は驚いて固まっていた。
「おいおい、そっちが先に名乗るべきじゃないのか?礼儀がなってないなー。」
ここのやり取りは何か王道って感じがする。
実際にあるもんなんだな。
「え~と…僕は久瀬眸です。こっちが妹の琴奈です。」
自己紹介が終わった時には琴奈は固まってはいず頭を下げていた。
「君達あれか!今日から来るって言ってた寮生か!」
目が輝いてる。
何でそんなにモチベーション上がってるんだ。
「いやー寮生が少なくて寂しかったんだよ~。早よ入んなー。こんな所で立ち話もなんだし。」
スッゴイ笑顔だ。
か…かわいい。
「兄さん、何ニヤニヤしてるの?」
琴奈も笑顔で僕を見ている。
でもその笑顔の裏には怒りがいっぱいだ。
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