002

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ああ、暖かい日差しがとても気持ちいい。 実家を出てから寝てないから眠気が襲ってくる。 寝るべきだったな。 まだ寮に着かないのかな。 「ここで降ります。」 そう言ったのは隣に座っている妹の琴奈だ。 清楚な衣服。 いつものポニーテール。 昔何故ポニーテールなのか聞いたことがある。 動くときに邪魔らしい。 「邪魔なら切れよ。」と言ったら次の日にはショートカットになっていた。 幼く見えて笑ってしまったことを覚えている。 それ以来髪型は変えていない。 罪悪感を感じるな。 そんなことよりここで降りるだって? 寮がどこなのか知らないが高層ビルが立ち並ぶここにはあるとは思えないんだが…。 「兄さんお金払っておいて。」 「はい、はい。」 琴奈が払ってくれないのかよ。 渋々タクシーの運転手に代金を払いタクシーを降りた。 「こんな市街地に寮があるのかよ。」 先にタクシーから降りて待っている琴奈に先程の疑問を聞く。 「ないよ。」 「じゃあ何でここで降りたんだよ。」 「街のこと知りながら寮に行こうかなって。」 いやいやいや。 店が見たいだけだろ。 まあ別にいいんだけど。 「歩くのか。めんどくさいなー。」 「普段から鍛えてるんだから大したことないでしょ兄さん。」 「そんなことに鍛えてるんじゃない。」 「私がよくわかってるから。」 わかってくれてるとは思うけど、何だかな。
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