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気まずい雰囲気にしちゃったな…。
「もう過ぎた事だ。忘れろ忘れろ。」
忘れられる訳ないか。
「そうだね。」
それでも琴奈の表情はそこまで変わってはいない。
「琴奈買い物したかったんじゃないのか?」
話題を変えるのに少し無理を感じるがこの暗い雰囲気を壊したかったし、都心部を既に抜けていたから聞きたかった。
買い物は女性同士で行きたかったのかな?
「え?何で?」
僕の質問に驚いている。
僕は驚いている琴奈に驚きだよ。
何で?って…何で?
「店とかいろいろあったから買い物しないのかな~って。」
まあ琴奈が周りをキョロキョロ見てたし。
「寮から近いから何時でも行けるよ。ただどんな店があるのか見たかったんだ。」
寮から近いのか。
じゃあもうすぐで着くのか?
琴奈に何も知らないのかこの兄は…とか思われてそう。
「もうすぐ着くのか。」
「寮に着いたら荷物を片付けなきゃね。買い物なんてしてる暇はないよ。」
そうだった。
荷物を片付けるんだ。
買い物してる暇なんてない。
寝てないこの体を寝かす暇もない。
寝たいな。
「あ!あったあった。ここだよ、これからお世話なる寮。」
「これか。」
何というか外観からしてボロいな。
築40年くらいいってるんじゃないのか?
琴奈らしいな。
案外庶民派なんだよな琴奈。
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