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~春日side~
体育館裏から戻ってきた日向は困ったような泣きたいような怒ったような、とにかく複雑な表情を浮かべていた
「なんて言われたの?」
「……好きだって」
「は??」
柄にもなく間抜けな声が出た。
「おれのことが好きだって。一個上の先輩だった。」
うつむいて、ぼそぼそ話す日向。
「…男の先輩じゃないよね…??」
「当たり前でしょ!!何ていったっけな、けっこう美人な先輩…あ、森内加奈子さん」
「…知らない…」
「春日ちゃんそういうのに疎いしね。だろうと思った」
日向はちょっと眉を下げて笑った。困っているときのくせだ。
心臓がヤバい
森内とかどうでもいい
聞きたいのはひとつだけだった
「……付き合う、の?」
しぃん、と空気が静まり返った。
日向は顔を上げ、こっちをじっと見つめた。
心拍数が上がるのがわかる。
「付き合わないよ」
日向は微笑んでそう言った。
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