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~日向side~
「あたしね、日向君が好きなんだぁ。で、良かったら付き合ってみない?」
おれ、告白されてる…
ゴツい先輩にリンチ受けるのをイメージしていたおれは拍子抜けした。
体育館裏。
目の前にいるのは、お姉さん系の女の先輩。
髪をクルクルに巻いて、メイクもバッチリ、今どきの雰囲気をかもし出している。
はっきり言ってタイプじゃない。
いかにも「女」を強調しているその先輩をみて、なんか嫌な気分になってきた。
なんでそんな上から目線の告白なわけ?
いくら先輩で美人でもそんな態度ではトキメキもしない。
「ねぇ。付き合おーよー楽しいよ?年上嫌い??」
「好きな人いるんで。失礼します。」
はっきりと言い放つとおれはその場を去った。後ろでは先輩が激しく怒っていた。
年上が嫌いとか関係ない。だってもう好きな人がいるんだから。
いつのまにか心の片隅に入り込んでいた存在。
好きと気付いてから日は浅かったけど胸いっぱいにその存在は広がっていた。
美人の先輩よりも、その存在の方がおれには魅力的だった。
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