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第1話【助け合い】
「どうも、すみませんねぇ」
「良いんですよ。これぐらい」
雲一つない、炎天下の中、主人公:木戸宗佐【そうすけ】は、【人助け】をしていた。
「本当に、助かります」
彼に荷物を預けたお婆ちゃんは、歯のない、顔で、笑った。
「気にしないでください」
宗佐も、笑顔を返す。
「本当なら、駅まで【孫】が、迎えに来るんじゃが…」
お婆ちゃんは、駅を振り返り、溜め息をつくと、懐から、【携帯電話】を取り出し、電話を始めた。
「もしもし、一葉【かずは】かえ。今からそっち行くから、迎えはええよ。何?彰子【あきこ】が、もう、向かった?そうかい、分かった。分かった」
お婆ちゃんは、孫に電話をしたようだ。
「これは、孫が【プレゼント】してくれたんですよ。今では、手放せない【宝物】なんです」
「そうなんですか」
「えぇ。確かあなたと、同じ学校ですよ。制服が同じですから」
「お婆ちゃん~」
遠くから、一人の女子が駆け寄ってきた。
「ごめ~ん。待った?」
「うんにゃ。今まで、この人と話とった」
「すいません。お婆ちゃんが、お世話に…って、【木戸】じゃないの!?あんた、ここで、何してんのよ?」
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