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第2話【お礼】
「はい。これあげる」
翌日、大学の食堂で、宗佐の前の席に座った【女子】高橋彰子【あきこ】は、おかずを【一品】彼にあげた。
「ありがとうございます。【先輩】」
「も~う、あの後、説明するの大変だったんだから、【ひ孫が楽しみ】とか、言うし!!」
「それは、災難でしたね」
「本当よ!全く!!」
彰子は、早めに食事をすませ、席を立つ。
「…でも、アンタのこと【嫌い】じゃないわよ」
「えっ!?」
彰子は、意味深な言葉を残してその場を去った。
(からかわれたのかな?)
宗佐はその場に固まってしまった。
「隣、良いかな?」
「どうぞ」
「ありがとう」
宗佐の隣の席に座ったのは、
高橋三姉妹の次女。
【高橋一葉(かずは)】だった。
「お婆ちゃんが、迷惑かけたみたいで、ゴメンね」
「いや、迷惑では…」
「ま、アンタがお人好しなのは、【宏美】から聞いてたし、悪いことではないと思うよ」
「どうも」
「それでさ、お婆ちゃんが、家に連れて来いなんて言ってるんだけど、どうかな?」
「一葉の家にか?」
「…うん」
気恥ずかしそうに俯く彼女に、
「う~ん、考えとくよ」
宗佐は、答えを先延ばしにした。
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