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すっかり肌寒くなってきた12月のある朝。私は学校への道を一人とぼとぼ歩いていた。今朝も母さんと喧嘩してしまったのだ。
「はぁ…」
大きく溜息を吐くと、息は白くなって消えていく。このモヤモヤした気持ちも白い息のように消えてしまえばいいのに…
"どうしてアリスはお姉さんのように優秀じゃないの!?"
母さんはいつもそう言う。どうしてそんなに姉さんのように優秀でいなきゃいけないのか、私には理解できないでいた。
「姉さんなんか大嫌い…」
姉さんが優秀じゃなかったら比べられる事なんてなかったのに…
「うわっ!!」
そんな事を思っていた罰が当たったのか、私は曲がり角で突然人にぶつかってしまった。
「あっ、すみませ…」
謝りかけた瞬間、私は自分の目の前に居る人物に目を疑わずにはいられなかった。ドクドクと心臓の鼓動が速くなるのが分かる。
これは…どういうことなの?
「私…?」
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