分岐点

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美晴と図書館で出会ってから1週間が過ぎ、新学期が始まった。2学期は、僕の通う高校は行事のオンパレードだ。運動会、文化祭、修学旅行。 美晴と出会うまではこの学校行事が憂鬱でたまらなかったが、なんだか待ち遠しくてたまらない。僕はこんなにも単純だったんだな。 まずは運動会からだ。 僕のやる気とは空回りに僕は保健係をやらなければいけなくなった。 つまり、競技には参加できないのだ。 しかし、悪いことばかりではないようだ。美晴も同じ保健係だ。僕はますます運動会が待ち遠しくなってしまった。 運動会準備が始まった。僕は美晴と一緒に救護室に一通りの荷物を運びこんでいた。 「残念だわ。君の有志が見られないなんて。」 僕はぶすっとして答える。「美晴は僕が運動音痴なの知っているだろ?保健係でよかったと思っているよ。まさに適材適所だね。」 本当は美晴に応援されて頑張っている姿を見せ、少しでも美晴の気持ちが僕の方に向けばいいと考えていた。 「でも、体育の時間の君は素敵よ。バレーボールなのに、一人だけダンスを踊っている姿はね。」 彼女はどうやら皮肉の天才らしい。僕は美晴に口論で勝てる気がしない。
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