分岐点

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準備を終え、あとは当日を待つだけになった。僕は美晴のことばかり考えていた。美晴も僕のことを考えてくれればいいな、なんてな。 当日、僕と美晴は次から次にくる怪我人の手当てに忙しく救護室を駆け回っていた。目がまわるほど忙しいとか、猫の手も借りたいとかはこんな状態のことを言うんだなと感じていた。 お昼になり、怪我人の手当ても落ち着いてきた。保健医が美晴と僕に昼食をとってくるように伝えた。 僕の通う高校には運動会を行えるような大きなグランドはなかったため、市が運営しているグランドを借りて運動会をしていた。その市営グランドはへんぴな場所に作られていたので回りは山に囲まれていた。 僕と美晴は山にある展望台で昼食をとることにした。「いい風ね。気持ちいいわ。」 「今日は晴れてよかったね。実は僕は雨男なんだ。だから雨が降らないか心配してたんだよ。」 「そうなの?全然わからなかったわ。じゃあきっと私が晴れ女なんだわ。ねぇ、私の名前の由来って聞きたい?」
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