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運動会も終わり、次は修学旅行の準備にクラスは忙しそうだった。
ひとつの行事を終え、僕は以前よりはクラスの中に溶け込めていれていた。
僕らの学校の修学旅行は北海道に行くことになっていた。
僕の通う高校の修学旅行は他の高校と違うところがあった。
団体行動、集団学習は小学校、中学校で学んできているはずだから、自分達の足で新たな発見、探究をしてもらいたい。という方針らしく、食事、就寝以外の時間がほぼ自由時間なのだ。
クラスメートは仲のいい人達で集まったり、恋人たちは二人でデートの予定をたてたりしていた。
もちろん僕は美晴を誘うつもりだ。
そう思っていたのだが、まだ勇気が出せず、誘えていなかった。
そしてあっというまに修学旅行前日をむかえてしまっていた。
今の時間は午後7時。僕は母親の作った夕食を食べ終え、考えていた。
そんな息子が悩んでいるような顔を見た母親が口を開いた。
「どうしたんねぇ、そんな難しそうな顔して。人間考えることはええことやけど、悩んでるんなら駄目よ。悩むことは体に毒なんだから。人の悩みに答えなんかでんのやけん。男なんやったら、思ったまま行動にうつしなさいよ。」母親が優しく言ってくれた。
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