ハジマリ

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僕もつられて笑ってしまった。すると美晴は 「なかなか失礼ね」と皮肉っぽくいった。 「本当はどうなの?」 「そうね、私は学校の先生になりたいわ。小学校なんかいいわね。」 「うん、星野さんにはぴったりだ。」 「その星野さんて言うのやめてくれるかな。なんとなく、くすぐったいわ。美晴って呼んでくれる?」 僕は戸惑いながらも頷いた。 「じゃあ練習ね。さぁ、呼んでみて。」 「…美晴さん。」 「聞こえないわ。」 「美晴。」 「何?」 僕は自分でも顔が赤くなったのがわかった。 「あら、紅葉の季節はまだ早いわよ。」 僕たちは顔を見合わせて笑いあった。 どうやら、僕は美晴のおかげで徐々に蟻の行列に戻れそうに感じた。
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