そんなことより

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「どのバッチを見ればいいんだ?ん~?」 「い、いやぁ、その」 冷や汗でベットリ。 「こいつ、寝ぼけてんじゃねぇのか?」 「そうかもしんねぇな。おら、帰った帰った。あんたの目指してる城は自宅のベッドだよ」 手で払われるが、テリーの目的地はここで合っている。 「なんだ、そこにいるのはキッドマンか?」 どうしようかと思っていたら、門の向こう側からこの5年で聞き慣れた声が。 成績2位で卒業したカズーイ・ベイキャップである。 成績優秀、剣の腕だけならば学年最高、長身、ブロンドの長髪に厳しい目付きでも整った顔立ち、そして大商人の息子ということで基本的に取り巻きが3人はいるが、今はさすがにいなかった。 カズーイが門番に敬礼されながら門から出てくる。
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