プロローグ

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やっと座りこんで窓の外を見ると、もうすっかり日は暮れて、蒼と灰色が暗く混ざりあっていた。 家出だ誘拐だと親に騒がれて通報でもされたらことだ。 『美紀が風邪で寝込んだらしいから行ってくる』 それで何とか説得した。 美紀は私の小学校からの親友だ。今はこの中途半端な田舎を出て、大阪に下宿している。 彼女には、 『彼と旅行に行くから、上手く言っといて』 と、美紀の好きなういろうを送って電話しておいた。
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