魔王のお仕事

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今俺はたいへんなピンチにおちいっている。 「魔王、お前を倒す。」 ゲームでお馴染みのラスボスシーンだ。 「な~シエル助けてくれない?」 俺はシエルに助けを求める。 「魔王なら大丈夫でしょ。」 大丈夫って言われても相手は五人だ。はたから見ればリンチにあいそうだ。 「魔王覚悟。」 真ん前の勇者っぽい奴が切り掛かって来た。よく見れば俺の手には食べかけのぶどうしかない。 「シエル~武器忘れたから貸して~。」 「やです。」 即答されてしまった。しょうがないな。 「くらえ。」 俺はぶどうを指で弾く。 「グハッ」 ぶどうは鎧を貫通していた。 「う、うわー」 気が狂った騎士っぽい奴が突っ込んで来る。 ザクッ 「や、やった。」 見事に俺の腹に剣が刺さる。 「あ~あ服直さなきゃ。」 この城に服を直せる奴は居ないんだぞ。 「ば、化け物め。」 「いつも言われてるから気にしないさ。ところで服直せる人いない?」 俺は一歩近づく。 「うわー。」 皆逃げて行った。 「あれ?」 一人の魔法使いっぽい女の子が倒れていた。 「あちゃー気絶してるよ。」 「魔王、どうします?」 ここでシエルが出て来た。 「とりあえず空いてる部屋に寝かせといて。あと魔法使いっぽいし気に入ったから今日から魔王の仲間ってことで。」
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