バスケ少女

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「もうここまで来たら、やるしかないって感じです。」 「おっ!意外としっかりしてるじゃない。」 「意外って…。泣」 「いやいや、昔の私みたいにうじうじと悩んでるんじゃないかって心配してたのよ。」 「えっ…RUKAさんが?」 …いつも明るくて優しくて、どんな時でもチームを引っ張ってくれる。 去年の大会だってRUKAさんがチームをベスト4まで導いてくれたと言っても過言ではない。 RUKAさんがうじうじと悩んでいる姿なんて、全然想像出来ないよ… 「うん、私の場合つい何もかも抱え込んじゃうんだよね。これでも色々悩んでたのよ。試合前は周りの期待とプレッシャーにやられて、死にそうだったな。」 RUKAさんはそう言って笑った。 「私も…」 「ん?カノンどうした?」 「い、いやっ、何でもないですっ。」 私も…怪我人ばっかりの今のチームの状況とか、最近シュート率が落ち込んでいることとか。 本当は不安なことだらけなのに… ここで少しでも口に出したら、色んな不安が全部一気に溢れ出てきてしまいそうで… 怖くて言えなかった。 この時、RUKAさんに素直に相談していれば、何か変わっていたのかな。
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