序章『フィオナは見事に学校を支配した』

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 戸田丘中学校は比較的新しい中学校だ。7年前に創立され、これまでに4回卒業生を送り出してきている。  ピカピカな新校舎には県内に限らず、県外からも結構な数の学生達が入学してくる。私もその内の一人である。元々戸田丘が地元ではない。  県外でも美しさで有名な戸田丘私立中学校に行きたい。そう思っていたところ、運良く父が戸田丘に転勤することになったのだ。  私は父にすがる思いでついて行くと懇願した。戸田丘は無論美しさで有名だが、学力平均ラインもかなり高い物で、優性な学校としても知れ渡っていた。  頭が飛びぬけて良いわけでもなく、馬鹿なわけでもない私がこの学校に挑むのはかなり厳しいものだ。そんなこと、百の承知。土下座してでもお願いしようと思っていた。美しい学校での優雅なスクールライフが私の憧れであった。
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