序章『フィオナは見事に学校を支配した』

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 息を飲み込みそうな勢いで、私は父に要求した。きっと駄目と言われるに違いない。私は諦めの気持がどっと押し寄せてくるのがわかった。  しかし、あっけないほどに、すんなり父は「うん」と首を縦にふりながら答えてくれた。実にあっけなく、凄んだ威勢が風船のように一気に抜けた。  だが、すぐさま父は「次のテストで総合480点以上だったらな」と嘲笑いながら言った。  その嘲笑いに対する怒りの執念で見事私はその条件をクリアし、さらに試験も何の問題も無く受かり、戸田丘中学校の生徒として今にいたるわけだ。  住居も新しく戸田丘になり、黒い屋根から青い屋根のアパートに変わり、これからは優雅で美しいスクールライフに早変わり  するはずであった。 
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