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―また1日売れば良いし―
何日分売ったのだろう…?私はだんだんにあの質屋に行くペースがあがってきた。
月に1度、2週間に1度、週に1度、3日に1度…。
そして、2日分、3日分の命を売ってしまうことも増えてきた。
―長い一生のうちのたった1年やそこらを売るだけで彼を喜ばせられるなら…いい。―
私はそんな考えで毎日を彼のためだけに生きていた。
「ゆいか?俺のこと好き?」
「好きだよ?」
「俺、お前のために本気でナンバー1目指すから。」
「嬉しい。頑張って。」
「応援してくれる?」
「もちろん。」
私はこの言葉の意味をわかっていた。
「あなたのために、今日はお店のみんなにシャンパンご馳走しちゃおっかな~♪」
そういうわけで、私は一夜にしてバッグを何個買えるかという額を使ってしまったのです。
そして、朝帰りのその足であの質屋に直行しました。
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