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「何の高価買取のお店なんですか?」
執事は立ち上がって奥の棚から一冊ファイルを持ってきた。
「あなたの一生は、何日でしょうか?」
「…さ、さぁ。」
「たとえば、あなたはこれから死ぬまでに20000日分の命を持っているとしましょう。そして、あなたは『そんなにいらない』と感じているとしましょう。あ、失礼いたしました。どうぞこちらにおかけ下さい。」
「あ、すみません。」
「世の中には明日死ぬかもしれない人がいます。そんな方たちは『1日でも多く欲しい』と考えるのです。
いらない人が、こちらに売ります。そして、欲しい方が買いにいらっしゃる。ここは、そういったお店なのです。」
「…はぁ。」
私は、言葉の意味は理解できたのだが、そんな‘世にも不可思議な世界’みたいな話が本当にあるんだと驚いてしまった。
驚かない人もいないと思う。
「お売りになられますか?査定は無料でございますよ。」
私は、ゲームのような感覚で査定をお願いした。
「じゃあ、売るかはわかりませんが、お願いします…。」
「かしこまりました。では、こちらの用紙に書かれた質問にお答え下さい。」
執事は私の前にびっしりと活字の並んだ冊子とペンを置いた。
「簡潔な回答でかまいませんので、なるべく全てにお答え下さい。ちなみに、お答えいただきました個人情報は私が責任を持ってお守りいたします。」
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