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「はい。大変お疲れ様でした。これより査定いたしますので、10分ほどお時間をちょうだいいたします。」
と言って執事はノートパソコンに打ち込み始めた。
気づくと時刻は、彼のお店が開店する1時間前になっていた。
―まぁちょうど良いか―
私は携帯をいじりながら査定を待った。
「はい。査定が完了いたしました。一生分でお答えいたしましょうか?1日分でお答えいたしましょうか?」
私は考えた。―これって、両方聞いたら私の寿命がわかっちゃうじゃん…―
「1日分でお願いします。」
私は、未来は聞かないことにした。
「かしこまりました。あなたの命、1日当たり…250万円でございます。」
「250万!!…それって、高いほうなんですか?」
「さぁ。どうでしょうか。」
―人生のうちのたった1日を売るだけで、250万…―
私は迷った。15分もしたらここを出ないと開店時間に間に合わない。でも今日はニセダイヤのせいで良いプレゼントも買えなかったし、高いお酒でもあけてあげたい。
「売ります。1日分!」
「かしこまりました。」
執事は奥の部屋に入って行った。
私の心臓がバクバクしていた。何か、取り返しのつかないことをしてしまったような、とんでもなく恐ろしいことをしてしまったような…そんな複雑な気分だった。
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