あなたの命、査定してみませんか?

9/13
前へ
/13ページ
次へ
「ゆいかと海とか超楽しみなんだけど。」 ブランド物のボストンバックを持った彼は無邪気に笑った。 「はいチケット。」 「サンキュー。」 「私の超楽しみにしてたから♪」 到着するなり彼と高級なランチのレストランに入った。伝票はこの際気にしないことにした。彼だ楽しそうにしてるからそれで良い。 リゾート地でエステしたりスキューバダイビングしたり、彼に色々買ってあげたり、お金はかかったけどとっても楽しい旅行だった。 日帰りでは考えられないほど高い旅行だったのかもしれない…。 ―また、あの質屋さん行けばお金入る…はずだし。― 私は、その後しばらくは生活費を削って今までの生活を意地していた。それでもだんだんにお金がなくなってきたので、私はまたあの質屋に行くことにした。 「いらっしゃいませ。」 「あの、先日来たものなんですけれども…」 「天野様でいらっしゃいますね?今回は何日分にいたしましょう?」 「えっと、また1日分でお願いします。」 「かしこまりました。ではこちらの用紙を。」 また私はあっけなく250万円を手にしてしまった。 「ゆいか最近金回りよくね?」 「そう?」 「なんか、最近可愛くなったし?」 ―やっぱり?めっちゃエステとか行ったもん。― 「だって、あなたの一番になりたいから。」 「お前ホント可愛いやつ。俺さぁ、もうちょっと稼いだらナンバー1いけちゃうかもしんないんだよね~」 「ホントに?じゃあ、私がナンバー1にしてあげる。一番上のランクのワイン飲んじゃおっかな~♪」 「ちょ、お前超サイコー。」 結局今日もかなり使ってしまった。 250万は3日にわたって飲み明かしたのであっという間に吹き飛んだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加