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「難しいですね。」
苦笑しながら言う旭に、俺はおどけた表情を見せる。
「まさか、できないとは言わせませんよ?」
「誰に言っているんですか?」
自信を覗かせる微笑を見せた旭に俺は内心安心しながら頷き、亀裂の中からハルバートを取り出す。
そして大きく一振りすると、力強く地面に突き刺した。
「ここは俺が引き受けましょう。
久しぶりに出してあげないと、ストレスが溜まるでしょうから。」
「召喚神ですか……確かに、最近見てないですからね。」
俺の言葉に旭も笑みを零し、鋭い視線を前に向ける。
するとその視線の先には、倒したはずの剛鬼たちが虚ろな瞳で立ち上がっていたのだ。
「とりあえず、騎士と女王に頑張ってもらいましょうかね。
私も一応学生だし。」
「別にわざわざ俺の護衛で学園に入らなくても―――皐月さんまでつれてきて……」
呆れたように旭を見るが、直ぐさま視線を戻す。
「まぁいいですけど。」
「それじゃあ私は行きますね。」
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