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「実際魔具を使っているとはいえ、『トランスファー』を発動できるのですから……心配ないでしょう。」
「やはり気付いていましたか……」
そう言ってポケットからあの指輪を取り出し、そのまま学長に投げ渡す。
「ほう~これは……素晴らしい出来です。
さすがは陛下作ですね。」
「いえ、『魔具師』の作品に比べたら駄作にしかすぎません。」
学長はどこからか取り出したルーペで指輪をまじまじと見つめ、感嘆のため息をついた。
「これで駄作とは……『魔具師』が聞いたら、ひっくり返りますよ。」
「そんなことはどうでもいいです。
それよりも、学年のことですが……」
「無理です。」
このまま一気に話が脱線していきそうだったので少し声を大きくするが、それを遮るように学長が言葉を挟んだ。
おかげでこっちは不完全燃焼である。
「何故ですか……?」
「陛下は今年16歳、それに対して藤堂さんは今年17歳。
学年は年齢で決めるということを国が決めているので、いかに陛下といえども無理です。」
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