いきなりの編入生

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少し大馬鹿野郎もとい大馬鹿娘という所に力が入っているが、それ以外はいたって普通。 私が不思議に思いながらも恐る恐る目を開ければ、そこにはいつの間にか鞄を持った彼がいた。 全く気配を感じずに百面相をしていたかと思うと、何とも気恥ずかしい。 「よろしくお願いします。」 「あっ、はい……」 爽やかな鷹夜の笑顔につられ、私は戸惑いながらもニヘッと抜けた笑みを向けた。 確実に可愛くない笑みだろうけど。 そんな私に彼は微笑み、席についた。 「まったく……では華野が入ってきたことだし、私ももう一度自己紹介しておく。」 そう言って馨はチョークを持ち、さらさらと達筆な字で名前を書いた。 「私はこの1年1組の担任をすることになった、酒井馨(さかいかおる)だ。 何かわからないことがあるようなら、いつでも聞きにきなさい。」 馨は少し高めのヒールをカツンと鳴らしならが生徒たちを見渡し、口の端だけを笑みの形に歪めた。 その姿はどこか妖艶であるが、全くいやらしくない。 例えるならまさしくキャリアウーマンといった感じで、凛としたその姿に生徒たちは皆自然と背筋を伸ばした。 .
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