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その頃はそれが何か良くて、皆こぞってつけまくり。今思い返せば爆笑だよ。アホすぎて。 「あ、宿題のプリントやってない」 「だから昼休みやっとけって言ったじゃん……進まない問題集やるぐらいならさ…」 「それはそれ!これはこれ!」 1つ下の階にある理科室まではそんなに遠くなくて、ただ階段降りるのめんどくさいなって思うだけ。 ようやく涼しくなってきたかな。カッターシャツの下に長袖着てる人をちらほら見掛けた。 「理科のおじじ、今日もボケてんのかな?」 "おじじ"は理科の担当教師の愛称。定年間近のおじいちゃんだから、皆素直に授業をうける。 ホントのおじいちゃんみたいに優しくしてくれる先生だから、アタシも大好きだった。 「年だから仕方ないでしょ」 「まぁね。可愛いからいいけど」 「可愛いっていうか…危なっかしいよね」 「はは、そうだね」
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