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理科室から出てきた身長そこそこの男子。 アタシは真剣にびっくりして、その場で硬直した。きっと肩「びくっ」てなった。最悪。 「っ、ごめん」 そう言って来た男子の顔を見上げると、ワックスで立った茶髪にヘアピンのついた前髪。 高めの鼻。睫毛の長い二重。結構なイケメン。 笹井 涼太だった。 「えっ…と、」 「っマジでごめんな!扉開けようとしてたの気付かなかった」 「大丈夫……」 「ホントごめんな!」 「え、うん…」 ひたすらに謝って、笹井はそそくさと廊下を走り去った。 何も言えなかったし。何アイツ。速っ。 もう授業始まるんですけど。 「大丈夫?馨」 「うん、平気。真剣びびったけど」 「いきなり開いたもんね」
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