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「何も言わせずに行っちゃった……」 「やけにテンポの速い会話だった」 「アタシ、単語しか呟いてない」 というかあれは会話じゃない。 「何か昼休みに笹井のこと話してたばっかだったからびっくりした」 「他の男子を呼びに行ったらしいね、多分」 あまりの会話の速さに苦笑しか出ない。というか出せない。 多分漫画だと今のは2コマ分くらいしかないよ。 梓の言うとおり、笹井と仲が良い男子達はまだ教室にいなかった。 もりやんと男子が数名ずつ。 何か凄い寂しい空間だな。 「お、実験道具あるじゃん。実験?」 「らしいね。めんどくさいなー…」 「梓お姉様に後は任せたわ」 「やめてくれ。きしょい」 理科の教科書の角で頭の天辺を叩かれた。これ痛いんだよ。 「痛ったいなあ!もう!」 「きしょ馨に鉄槌喰らわせただけだよ」 「きしょ馨って何?!気持ち悪い長峰 馨と言いなさい!」 「ちゃんと言い直しただけじゃん、それ………」
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