1人が本棚に入れています
本棚に追加
「何も言わせずに行っちゃった……」
「やけにテンポの速い会話だった」
「アタシ、単語しか呟いてない」
というかあれは会話じゃない。
「何か昼休みに笹井のこと話してたばっかだったからびっくりした」
「他の男子を呼びに行ったらしいね、多分」
あまりの会話の速さに苦笑しか出ない。というか出せない。
多分漫画だと今のは2コマ分くらいしかないよ。
梓の言うとおり、笹井と仲が良い男子達はまだ教室にいなかった。
もりやんと男子が数名ずつ。
何か凄い寂しい空間だな。
「お、実験道具あるじゃん。実験?」
「らしいね。めんどくさいなー…」
「梓お姉様に後は任せたわ」
「やめてくれ。きしょい」
理科の教科書の角で頭の天辺を叩かれた。これ痛いんだよ。
「痛ったいなあ!もう!」
「きしょ馨に鉄槌喰らわせただけだよ」
「きしょ馨って何?!気持ち悪い長峰 馨と言いなさい!」
「ちゃんと言い直しただけじゃん、それ………」
最初のコメントを投稿しよう!