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「え、知らない。そうなの?」
「らしいよ。まあ美男美女で良いとは思うけどね」
「ふ~ん……いつから?」
「実際は結構長いみたい。2ヶ月くらいは隠してたらしいけどね。結果的に姫佳ちゃんが暴露して知れ渡ったって」
「あの子、性格悪いし口軽いもんね……可愛いのが羨ましいけど」
アタシの席は窓際。
机の上を綺麗にしながら窓の外を見る。
見たら男子がまだサッカーしてて、その中でも一際目立つ茶髪頭を見つけた。
笹井 涼太。
女子が揃ってカッコいいって言う男子。小学校の頃はそうは思わなかったけど、中学に入って茶髪になって、頭をワックスで立てるようになってからアタシもカッコいいと思うようになった。
ただし、ちょっと性格悪い。
「あれのどこが良いかね~……」
「顔は良いよ。顔は。」
「そう?私はあんたの方が色んな意味で男前に見える」
「…ありがとう。愛してるよ梓」
「ツっこめよ」
アタシは小さい時から男顔で、身長伸びるのも早かったからよく男子に間違われてた。中学に入ったらそうでもなかったけど、やっぱり隣にいるのが梓じゃブサイクに磨きがかかっちゃう。
お母さんもお姉ちゃんも美人なのに、アタシだけお父さんに似たらしくて。
「馨が男子だったら、私プロポーズしてるよきっと」
「……嬉しいよ、梓」
「…キモい」
「でも付き合うなら交換日記からしようじゃないか」
「聞けよ」
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