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「博子…博子ってば!」
「へっ!あ…ごめん、ボーっとしてた」
現在、元同僚で友達の浪岡友里子と居酒屋で飲み会中です。
「明日から新しい職場なんでしょ?」
「ん、ちょっと緊張」
なんて、たわいもない話をしていると店員が注文を聞きに来た。
2人分のチューハイとおつまみを頼むと店員は厨房の方に戻って行くのを何気なしに見ていると友里子が面白そうに私を見ているのに気付き視線を戻す。
「なにニヤニヤしてるの?」
「今の店員、結構イケメンじゃなぁい?」
友里子がニヤニヤしてる理由がわかった。
私が見惚れてると思ってるんだ、友里子の悪い癖が出そうな予感…
「そうかな?普通じゃない?」
「博子は、イケメン好きだもんね?」
出た…友里子の思い込み。
元彼と別れてから何度同じセリフを聞いた事やら…悪い子じゃないんだけど、思い込みが強くてそこが悪い癖なんだよね…
「はいはい、目の保養が出来て良かったね」
慣れたくないけど慣れてしまった私は、適当にあしらいながらさっきの店員が注文した品を持って近づいてくるのに気付き、気が付かれない程度に観察してみた。
確かに整った顔してるけど、どこか幼さが残っていて自分より年下なんだろうって思った。
「お待たせしました」
彼は、持って来た品を慣れた手つきでテーブルに置き一礼して下がって行った。
私達は、チューハイやおつまみを口に運びながら店員の話や私の新しい職場の話をしながら一応楽しく過ごした。
明日から新しい職場、少し不安や緊張もあるけど…
良い出会いがありますように。
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