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次の日、新しい職場に言われた時間に出勤していくと店長と一緒に若い男の人が待っていて、挨拶をするとロッカールームに案内してくれた。
「ここがロッカールーム、男女共用、これロッカーの鍵ね」
「ありがとうございます」
鍵を受け取り、お礼を言うと浜田さんというらしい彼は笑顔を返してくれて、そのまま私達はロッカールームに入っていった。
「それで、枝川さんのロッカーはこれな」
指を指された方を見て頷くとさっそく鍵で開け荷物を入れ始めていると慌ただしい足音が聞こえ浜田さんとドアの方を同時に向いた瞬間に勢いよくドアが開き、急いで来たらしく少し息の上がった若い男の子が立っていた。
「間に合った…」
「ギリギリセーフだな、翼」
翼と呼ばれた男の子は苦笑いを浜田さんに向け頭を掻きながら自分のロッカーに少し早足で行ってしまった。
「枝川さん、用意が出来たら翼ってさっきの奴に連れてきてもらってな、俺は先に行ってるから」
「わかりました」
浜田さんはロッカーに行ってしまった翼って子の所に私の事を伝えると店内に戻って行くのを横目で見ながら与えられたエプロンを身に付け、ロッカーに鍵を掛けドアの所に行くと彼が待っていてくれた。
「とりあえず、初めまして高梨翼っていいます」
「初めまして、枝川博子といいます。よろしくお願いします」
挨拶を交わし彼の顔を見ると何故かびっくりしたような顔をしていて自分の顔に何か付いているのかと尋ねると意外な言葉が返ってきた。
「昨日さ、居酒屋に居なかった?」
「えっ?友達と…って!もしかして、友里子認定イケメン店員!?」
失敗しました…やっちゃいました…しかも大声で…私のバカ。
「イケメンじゃないけどありがとうな」
「あの…えっと…すいません…」
笑いながら頭を下げる私に気にしてないからと肩を軽く叩かれ剛志さんが待ってるから行こうとドアを開けて私が出るのを待ってくれてそのまま2人で店内に少し早足で向かった。
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