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『けどなんか美味しく感じるんですよ、やっぱり自然の中だからかな』
『確かに、こういった場合での食事は、普段家で食べるよりも美味しく感じますわね』
私達は夕食のカレーライスと焼いた小魚を食べ終えると、探索ポイントを再確認する事にした。
『まず幽霊が出没するポイントは三ヶ所、公園のトイレ、本道から外れた小道、…そして私達が今居る、この河原です』
この〇〇川に向かう途中で見かけた、公園の案内図を大ざっぱに書き写した紙を広げて、綾崎さんに見せつつ、そう説明をした。
『この河原には、確か女の霊が出るんだっけ』
『らしいですね』
『部長は霊が見えるんですよね?なら、もうすでに女が居るか分かってるんじゃないですか?』
『…今のところ、らしい霊は見当たりませんね』
『その言い方だと、「他のは居る」って聞こえますけど?』
『まあ…チラホラとは、でも害は無さそうですし、気にとめる程のものではありません』
私達が写真を撮影しようとしている場所に出没すると噂される霊は、どれもそれなりに悪質化している可能性がある、何年も成仏が出来ないまま人間界をさまよっているので、この世の様々な悪意を吸収しているかもしれないのだから…
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