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《―カチャッ》
何かの金属音が聞こえた。
『…もう嗅ぎ付けたのか』
女は、言う。
「・・・・・そいつを離せ、“青百合”」
―黒薔薇!?
声の主は、黒薔薇と分かった。そして、女の正体も分かった。
『なら、剣を退けろ…』
さっきの音は、剣を向ける音だった。
『…まぁいい…私は行く』
暗闇の中を青百合の声が響いた。
そして、カツッカツッという足音が遠ざかると、暗闇が突然、光を生み出した。
「・・・・」
黒薔薇は、剣を振り落とす。
「!?」
パサリと目に巻かれた布が落ちた。
「ぁ…」
その時、白薔薇は、部屋を出て行く青百合の後ろ姿が見えた…。
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