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それから、黒薔薇は一度も目を覚まさなかった。三日が経ってしまった。それでも一向に黒薔薇は、目を覚まさなかった。
「……黒」
赤薔薇は見つめる。
静かな部屋。白薔薇は出掛けている。
沈黙が続く。
ゆっくり顔を上げ、窓の外を見た。
…?
窓が微かに開いていた。
赤薔薇は閉めに立つ。
「―?!」
刹那、体が動かなくなった。
『…おやおや、静かに眠ってらっしゃる』
背後から、男の声。振り返る事の出来ない赤薔薇は固まった。
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