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『ほらほら、貴方が死んでは意味もないでしょうに』
「煩い!僕は、良いんだ!!黒には手を出すっ―カハッ!?」
突然、後ろから腕を回され、首を絞められた。
『小僧が。お前に何が出来る…?』
黒百合の腕が、首を締め付ける。
「ぐっ、っ…!!」
どんどん首が絞まっていく。
首を絞められているせいなのか、視界が薄れてくる。
その時だった。
「手を離せ、黒百合…」
黒百合は、振り返る。
『おやおや、起きてしまったか…』
赤薔薇の首から腕を離すと赤薔薇は、ゴトリと床に落ちた。
「ガハッゴホッゴホッ…」
咳込んだ後、赤薔薇は意識を失った。
「それで良い。さっさと青百合達の所へ帰れ…」
『寝起きで体が重いはず…えぇ、分かりましたよ…帰れば良いのでしょ?』
そう言って、窓に手を掛けると彼の体の周りを黒百合の花びらが舞い散り、彼は消え去った…。
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