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21
岩壁を抜ければ、突然、太陽の陽射しが強くなった。
「暑っ…」
白薔薇は目を細めた。カーナに乗っている癖に。
「……此処から、砂漠地帯に入るぞ」
「え?!」
陽射しは益々、一行に降り掛かる。
陽射し避けのコートを羽織る黒薔薇達。コラールショップで買っておいたのだ。
「うぅ、暑い…」
白薔薇は手で扇ぐ。
「…フーフー」
黒薔薇の息遣いが聞こえる。相当、辛いようだ。
「・・・・っ」
黒薔薇は止まっては、赤薔薇を背負い直す一方。
「…やっぱ…赤薔薇、乗せた方が…」
「良い」
即答。
さっきから黒薔薇は、断ってばかりなのだ。辛い筈なのに。黒薔薇に話は聞いた。白薔薇はやはり、赤薔薇をカーナに乗せるべきだと思っていた。
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