Rose3 廃墟の村と橙と一人の男

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21  岩壁を抜ければ、突然、太陽の陽射しが強くなった。 「暑っ…」  白薔薇は目を細めた。カーナに乗っている癖に。 「……此処から、砂漠地帯に入るぞ」 「え?!」  陽射しは益々、一行に降り掛かる。  陽射し避けのコートを羽織る黒薔薇達。コラールショップで買っておいたのだ。 「うぅ、暑い…」  白薔薇は手で扇ぐ。 「…フーフー」  黒薔薇の息遣いが聞こえる。相当、辛いようだ。 「・・・・っ」  黒薔薇は止まっては、赤薔薇を背負い直す一方。 「…やっぱ…赤薔薇、乗せた方が…」 「良い」  即答。  さっきから黒薔薇は、断ってばかりなのだ。辛い筈なのに。黒薔薇に話は聞いた。白薔薇はやはり、赤薔薇をカーナに乗せるべきだと思っていた。
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