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砂漠の中にぽつりと大きな巨大岩があった。その下で休む一行は、この岩に感謝する。
冷たい岩の上で、眠る赤薔薇は静かに吐息を立てていた。
「……しょうがない。夜まで待つぞ」
「うん…」
「夜になったら移動する」
黒薔薇の言葉に白薔薇は頷いた。
何時間経ったのだろう。
太陽が一向に沈まないのだ。ずっと南の高い位置から微動だにしない。
「・・・・この砂漠、やばくない?」
白薔薇は呟く。
沈黙。
ふと、岩陰に動く人の影が。
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