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「名の事か?俺には、名などない」
その言葉に黒薔薇と白薔薇は目を見開き、彼を見た。
「……何だよ、その目は…?」
彼は、不機嫌そうに見つめると、何かを悟ったのか言葉を続けた。
「そうか。あんたらも、痣持ちか…」
ため息を吐いた。
「・・・・・薔薇か?百合か?」
黒薔薇は彼を睨み気味で見る。
「…俺は、薔薇だ」
その瞬間、白薔薇は一気に体の力が抜けた。
「良かったぁ~」
黒薔薇の後ろで、白薔薇は胸を撫で下ろしていた。
「そうか薔薇か…仲間という訳か」
ふと、彼の視線が赤薔薇へと行く。
「・・・・・黒百合の毒か」
「え!?」
白薔薇は目を見開いた彼を見た。
そんな事、黒薔薇から聞いていなかったからだ。
「……そうだ」
黒薔薇は赤薔薇の首を見せた。
「―!!」
そこには、紐状に赤薔薇の首を黒い斑点が囲っていた…。
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