Rose3 廃墟の村と橙と一人の男

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  「名の事か?俺には、名などない」  その言葉に黒薔薇と白薔薇は目を見開き、彼を見た。 「……何だよ、その目は…?」  彼は、不機嫌そうに見つめると、何かを悟ったのか言葉を続けた。 「そうか。あんたらも、痣持ちか…」  ため息を吐いた。 「・・・・・薔薇か?百合か?」  黒薔薇は彼を睨み気味で見る。 「…俺は、薔薇だ」  その瞬間、白薔薇は一気に体の力が抜けた。 「良かったぁ~」 黒薔薇の後ろで、白薔薇は胸を撫で下ろしていた。 「そうか薔薇か…仲間という訳か」  ふと、彼の視線が赤薔薇へと行く。 「・・・・・黒百合の毒か」 「え!?」  白薔薇は目を見開いた彼を見た。  そんな事、黒薔薇から聞いていなかったからだ。 「……そうだ」  黒薔薇は赤薔薇の首を見せた。 「―!!」  そこには、紐状に赤薔薇の首を黒い斑点が囲っていた…。
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