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25
黒薔薇とオレンは、ある一角へやってきていた。
「・・・此処だ」
オレンが指差す方向を黒薔薇は、見上げた。
そこは、砂漠に佇む廃墟の城。
何やらただならぬ気配を感じる。
割れた窓。そこからユラユラと揺れる薄汚れた白いカーテンらが目に入る。
「……大丈夫なのか、あんた一人で」
橙薔薇は、黒薔薇をまっすぐ見据えた。
「…平気だ。オレン、お前はあの二人を見ていてくれ…」
そう黒薔薇は、言った。
「あ…あぁ」
オレンは、ぎこちなく頷いてみせた。
そして、黒薔薇は剣を構えて、ツカツカと入って行ってしまった。
「気をつけろよ、黒さんよぉ」
オレンは黒薔薇が入ったのを確認した後、笑みを浮かべて、身を翻した…。
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