Rose3 廃墟の村と橙と一人の男

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25  黒薔薇とオレンは、ある一角へやってきていた。 「・・・此処だ」  オレンが指差す方向を黒薔薇は、見上げた。  そこは、砂漠に佇む廃墟の城。  何やらただならぬ気配を感じる。  割れた窓。そこからユラユラと揺れる薄汚れた白いカーテンらが目に入る。 「……大丈夫なのか、あんた一人で」  橙薔薇は、黒薔薇をまっすぐ見据えた。 「…平気だ。オレン、お前はあの二人を見ていてくれ…」  そう黒薔薇は、言った。 「あ…あぁ」  オレンは、ぎこちなく頷いてみせた。  そして、黒薔薇は剣を構えて、ツカツカと入って行ってしまった。 「気をつけろよ、黒さんよぉ」  オレンは黒薔薇が入ったのを確認した後、笑みを浮かべて、身を翻した…。
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