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白薔薇は睨みを利かせた目で、赤薔薇を守る態勢になっていた。
「おやおや、か弱い女の子が死にかけの男の子を護って、あぁか弱い…」
細面の眼鏡を掛けた男は、笑みを浮かべる。
「…誰よ、あんた!?」
「なに…私は唯の通りすがりの人間だよ」
笑みを浮かべ、土足で家の中へ入ってきた。いや、白薔薇達も土足だから意味はない。
益々白薔薇は深く構え、赤薔薇を護る。
「何よ!来ないで!!」
近くの果物ナイフを手に取り、男にナイフの先を向ける。
「おやおや、抵抗ですか」
男は、笑みを浮かべた。
「私を見て、何も思わないんですね…?」
「ぇ?」
白薔薇は、男を見た。
「私はね―」
右手をゆっくり上げた…。
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