Rose3 廃墟の村と橙と一人の男

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26  城へ足を踏み入れた黒薔薇は、周りを見回した。蜘蛛の巣やら割れた窓、底抜けた床等が目に留まる。 「……」  歩き出す。  しばらく奥へ進むと、そこはダンスホールらしき広いホールに辿り着いた。 「・・・居るんだろ?」  黒薔薇は口を開いた。 『―フフッ、お見通しですか』  クスクスと笑いながら、陰から彼は出てきた。 「黒百合…」  剣を構え、睨む。  フードを被った、静かに笑う黒百合がそこに居た。 「他にも居るんだろ…?」  鋭い瞳は、黒百合を睨む。 『あぁ、今出掛けているよ…』  口元が上がる。 「・・・・・チッ」  黒薔薇は舌打ちした。 『もう遅い。君達は死ぬのだ。この廃墟の村で…このダンスホールというステージで…残りの仲間も見つけられずに!!』  黒百合の笑いが高笑いへと、変わった。 『さぁ、ダンスタイムだ―!!』  黒百合は、腕を高らかに上げた。
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