90人が本棚に入れています
本棚に追加
暗い影からある三人がフラフラとした足取りで現れた。
「―!!」
黒薔薇は目を見開き、言葉を失う。
『もう私の手駒だ…』
黒百合は嗤った。
影から出てきたのは、赤薔薇、白薔薇、オレンの三人だった。
生気の無い虚ろな瞳で、力無く下がった腕で黒薔薇の前に立ちはだかった。
『さぁやってしまいな!!』
その途端、赤薔薇は銃を構え、白薔薇は素手。そして、オレンはピーッと何かの笛を吹いた。
すると、窓の外に黒い何かが羽ばたき、それは沢山現れた。
………カラス。
黒薔薇は目を細める。
『…おやおや、新入り君は、鳥使いですか、これはこれは』
黒百合は驚きを見せている。
『そうそう、黒薔薇。知っているかい?ある烏はね、人をも、食べるんだ…ある宗教の一人が神への生贄となり、そして、その死体をその烏達が食べるんだよ。良い話だろう?』
黒百合は円満の笑みになる。
「・・・俺には関係ない」
『おやおや、フフフフ・・・では、行きなさい!!』
最初のコメントを投稿しよう!